平成30年6月8日(金)に入間市中央公民館第3号室で平成30年度 第1回 地域交流会を
開催いたしました。
今回の地域交流会はこれまでのアンケートで要望の多かった「精神障害」をテーマ
とし、前半を講義、後半をグループワークとして企画いたしました。
前半の講義では入間市役所 障害者支援課の山川 久子様に「精神障害への理解」を
テーマにご講義いただきました。
講義では精神障害のことやうつ病、統合失調症、パーソナリティ障害の人との
コミュニケーションやかかわりのポイント等についてお話いただきました。
お話いただいた内容のなかで印象に残ったのが、統合失調症の症状のひとつである
「認知機能の低下について」です。
認知の機能とは記憶、思考、理解、学習、言語、判断の能力がありますが、低下する
ことで注意が散漫、融通性の低下、作業能率の低下、了解の悪さ、集中が困難などの
症状が現れます。
また、選択的注意の低下、比較照合の低下、概念形成の低下も見られ、社会活動全般に
支障をきたします。
選択的注意の低下・・・情報や刺激を選んで、それに注意を向けることができません。
周囲の様々な情報や刺激に対して、取るに足らないものを
無視して必要なものだけに集中することができません。
比較照合の低下・・・過去の記憶と比較して判断ができません。
たとえば、Aさんがもっている本と同じものをBさんがもっている
という理由だけで、AさんをBさんと思い込むというようなことが
みられます。これは、ある情報や刺激に対して、過去の記憶の
情報に適切に照合することができないために起こるものです。
概念形成の低下・・・物事をグループ化して概念化できない。
さまざまな情報に対して、類似点と相違点を区別して物事を
グループに分けて概念化する機能が低下しています。その為、
過去の類似の体験に基づいての対応ができません。
たとえば、箱は積み上げ、衣類はタンスにしまうといった整理
整頓ができなかったり、手順よく料理ができないなどの不具合が
生じます。
統合失調症の症状には妄想、幻覚、思考障害等の陽性症状(本来あるはずのない
もの)や意欲の低下、感情表出の乏しさ、自閉(社会的引きこもり)等の陰性症状が
ありますが、認知機能の低下についても理解をすることで、支援者の常識や考えに
ご本人を照らし合わせるだけでなくサポートしていけるのではないかと考えました。
この日の山川様のお話を聞いて精神障害のある方の症状や特性には理由や根拠がある
ことを学びました。
そういった意味では地域の支援者や関係者が精神障害について理解を深めていく
ことは精神障害のある方が暮らしやすい地域につながり、地域生活支援体制の
推進にも近づいていく一歩になるのではないかと考えました。
最後になりますが、大変お忙しいなかご講義いただきました山川様にはこの場を
お借りしまして改めて感謝申し上げます。
また、ご参加いただきました皆様、大変お疲れさまでした。