埼玉県入間市障害者基幹相談支援センター

入間市の相談支援の質の向上と相談支援機関等のネットワーク構築の中核的な取り組みを行っています。当事業所は入間市の委託を受けて、社会福祉法人茶の花福祉会が運営しています。

令和5年度第1回相談支援スキルアップ研修開催報告(2023.12.8開催)2023.12.25公開

令和5年12月8日(金)入間市健康福祉センター3階会議室にて令和5年度第1回相談支援スキルアップ研修を開催しました。

今回は、「NPO法人子育て応援隊むぎぐみ 心の相談室Saliの臨床心理士 公認心理師井上 智博様」を講師にお招きし、支援者として関わる上で、ひきこもりをどのようにとらえ、見立て、どのように対応していくことが良いかという考えを深めることを目的に、グループワークを行いながら講義していただきました。

井上様のお話のなかで、アセスメントとは、「診断と予後を含む治療プロセス全体についての見通し」、「クライアントの問題を理論に当てはめるのではなく、援助の道筋をつけるために行うもの」、「支援者が介入するうえで仮説検証と情報収集を行いながら、見立てに修正を加え援助を行う」こととの説明があり、ひきこもり支援においては当事者や家族に話を聞くことが、情報収集と信頼関係を構築する点において大切であるとのことでした。

臨床心理士 公認心理師 井上 智博様

グループワークでは、架空事例をもとに相談に関わる職員として事例の問題は何か、相談者のニーズは何か、異なる意見に焦点を当てて当事者支援を行っていくためには違いをどうすり合わせていくかを話し合いました。

その中で感じたのは、アセスメントを行う際に情報収集して得た情報を多角的に考えることが大切であるということです。

立場の違いやどこに重点を置いて話を聞くかにより見立てが変わり、お互いに異なった意見の場合は、すり合わせることが大切になるため、グループワークで様々な機関の方と顔を合わせて話し合うことができ良かったと思います。

グループワークの様子1

グループワークの様子2

研修を通じて印象に残ったのは、一見何もしていない、変化が起きないことを続けているように見えていても、実は少しずつ変化しているかもしれないと考えることが大切であるということです。

支援者がひきこもりの方に関わるうえでの問題は何か、どのようにアプローチを行うか考えることが重要であるが、関わりを持ち続けると状態の変化や関わりがみられず、もどかしさを感じ、また同じようになるのではと心配になります。井上様より支援者が支援を行ううえで見過ごしがちだけどできていることとして以下のお話がありました。

   「本人や家族に変化が無くても」    関わり続けること

                      関係性を提供するということ

                      タイミングまで待つということ

                    「しない」を「する」ということ

最後になりますが、大変お忙しい中ご講義いただいた井上様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

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