平成29年8月25日に埼玉県立精神保健福祉センターで開催された
平成29年度精神保健福祉相談研修に参加いたしました。
この研修は対人保健福祉サービスに従事する者が、事例を的確に把握し、適切な
処遇を提供できるようになること。事例の見立て(アセスメント)の基本について
学び、効果的なケース検討ができるようになること、を目的にしています。
講師は大正大学心理社会学部臨床心理学科教授の近藤 直司先生です。
この研修のなかでアセスメントは「一つひとつの情報を自分なりに解釈し、それらを
組み立て、生じている問題の成り立ちを構成し(まとめ上げ)、支援課題を抽出する
こと。あるいは、その人がどんな人で、どんな支援を必要としているのかを明らかに
すること」と定義をされています。
★研修の内容で印象に残った話
・評価・見立て(アセスメント)について
評価・見立て(アセスメント)にあたっては、
①生来的な気質や発達特性、疾患などの生物的な要因。
②不安、葛藤、希望、自己感、認知、内省性、感情統制、防衛機制などの
心理的な要因。
③身近な人たちとの関係、家族や学校・職場への適応などの社会的要因、という
3つの要因の関連性に留意していく必要があります。
・アセスメント技術を高めるためには
情報の収集と整理(インテーク) ― 評価・見立て(アセスメント) ー
支援計画(プランニング)の3つの過程を意識すること。
とりわけ「情報」と「評価」の違いを明確に意識することが決定的に重要です。
例えば、「誰々が何をした」、「誰々が〇〇と言っている」「IQは73」などは
エピソードや情報であり、その言動や情報、データをどのように理解・解釈
したのかがアセスメント(評価)です。
アセスメント(評価)は支援者の主観となるため、説得力のあるアセスメントに
していくためには根拠や具体的なエピソードが必要になります。
・相談支援の質に関すること
相談支援においては
情報 ー 理解・解釈・仮説 - 方針の整合性が必要になります。
対象となる人を支援するにあたり、①生物的な要因、②心理的な要因、③社会的
要因という3つの軸を意識しながら評価・見立て(アセスメント)を行うことが
適切な支援計画(プランニング)につながっていきます。
近藤先生のお話を伺い、アセスメント技術を高めていくことが事例を的確に
把握し、適切な処遇を提供できるようになることにつながり、それが相談支援の
質の向上へつながっていくのではないかと考えました。
【参考資料:平成29年度精神保健福祉相談研修 研修資料①~⑭】
入間市障害者基幹相談支援センター 並木