令和2年2月10日(月)に入間市健康福祉センター3階会議室にて
令和元年度第2回福祉学習会を開催いたしました。
今回の福祉学習会は「発達障害児の理解」をテーマに
東京家政大学 子ども学部 子ども支援学科 教授 宮島 祐先生を講師にお招きし、
「発達障害児の特性理解とその支援」という演題でご講演いただきました。
宮島先生は小児科医として長年に渡り、発達障害児の診断に従事し、平成26年4月より
東京家政大学子ども学部で保育者を目指す学生に特別支援教育を中心に教鞭を執られて
います。また、2014年10月に同大学内に「かせい森のクリニック」を開院し、発達障害
専門外来にて相談業務を中心とした診療を行うと同時に地域自治体・教育機関と連携し
ていく体制を構築されています。
講演では自閉スペクトラム症や注意欠如・多動症等の神経発達症群の障害特性と
心理社会的治療(SST)や行動療法(応用行動分析学)、薬物療法等の対応や支援に
ついて、イラストや写真も交えながら具体的にお話しいただきました。
お話しの中で印象に残ったのが「発達障害用語の問題」についてです。
支援者は注意欠陥多動性障害や広汎性発達障害という用語を使っていますが、それを
伝えられた人はその時にどのような思いを抱くのか。
発達障害は連続的な概念(スペクトラム概念)であり、「どこからが障害である」と
いう明確な線引きはできないため、その中間的な状態を一般的に「グレーゾーン」と
いいますが、その言葉の響きの暗さやマイナスイメージを変えようと「パステルゾー
ン」という言葉を使われているというお話でした。
支援者は何気なく発達障害用語を使用しているかと思いますが、それがご本人、ご家
族、ひいては社会に与える影響というものを意識していく必要があると考える機会と
なりました。
最後になりますが、大変お忙しい中、講師をお引き受けいただきました
宮島先生にはこの場をお借りして改めて感謝申し上げます。
また、ご参加いただきました皆様、大変お疲れさまでした。