令和7年2月14日(金)に健康福祉センターにて相談支援スキルアップ研修を開催いたしました。
今回の相談支援スキルアップ研修では、ケースワークにおける問題の捉え方を見直す機会となるよう「アセスメント力を高めるために」というテーマで『NPO法人子育て応援隊むぎぐみ 心の相談室Saliの臨床心理士 公認心理師 井上 智博様』を講師としてお招きしてご講義いただきました。
井上先生には昨年度の相談支援スキルアップ研修でもご講義いただき、その際はひきこもり支援におけるアセスメントの捉え方についてご指導いただきましたが、今回はそのアセスメントをもとにした『手立て』を考えるためのポイントをグループワークを取り入れながらご講義いただきました。

先生のお話しで、まず印象強かったことは、私たち支援者は何か問題に対面した際に
「問題を特定し、それをどうにかしようとしてしまう傾向がある」ということ。
一見、とても自然でどこに注意が必要な思考なのか?と思いますが、
あらゆる物事・困りごとは複数の問題が絡み合って問題が形成されていることが多く、
「一つの問題を解決すれば、すべて解決される」という状況は稀であり、その「問題」
についても家族、当事者、第三者等々、それぞれの立場によって見え方が異なる。ま
た、「必要なこと」と「出来ること」は別であると捉える必要があるため、私たち支援
者は様々な視点を踏まえた上で「支援者としてどう見えるか」を考えていくことが重要
であるということでした。
確かに私たちは過去の経験を踏まえて状況を整理、判断するというごく自然な思考がは
たらきます。ある程度型にはめてしまった方が判断が楽であり、表面上はスムーズに事
が運ぶことも確かです。しかし、私たちは目前の一人一人のニーズに対応していく支援
者ですので、その思考は意識して一旦置いておくことが必要であることを学びました。
また、様々な問題・困りごとについて「支援者の働きかけが❝誰に❝どのように❞アプロ
ーチすれば最も効果的(変化を促しやすい)か?」を考えること。来談者自身がどうなり
たいかというニーズをより具体的、現実的に拾っていくことが大切であるとのことで
す。
このニーズを具体的にしていくという作業を、グループワークでも行ったのですが、相
手が答えやすいような質問の仕方や、具体的に実現可能なイメージを膨らませていける
ように話を展開していくことが非常に難しく、「説明を聞いて知ったこと」と「実際に
出来るようになること」は全く異なることを体感しました。

そして、そのニーズを具体的にするにも、当然ながら来談者に情報を聞かなければなら
ず、それには非言語コミュニケーションを大切にし、スターティングクエスチョンやベ
ストホープクエスチョンなどの技法を用いて「相談して良かったと思えるような関係性
を作ること」が重要になってくるとのことでした。
ひきこもり・不登校等の社会生活を営むうえで困難を有する方との関わりが増えている
状況にある相談支援業務において、それらの困難ケースに対する問題の捉え方をグルー
プワークを用いながら丁寧に教わることができ、頭では理解しているつもりでいても、
実際にロールプレイしてみると上手くまとまっていなかったり、グループワークで掘り
下げてみると実は物事を抽象的に捉えていたりと、自分を振り返り、見直す良い機会と
なりました。
最後になりますが、大変お忙しい中ご講義いただいた井上様にこの場をお借りして感謝申し上げます。