今朝の新聞に精神科入院3.9万人減目標というニュースが目に留まりました。
厚生労働省の調査で全国の医療機関で精神科に入院している患者は全体で
28万9千人。このうち64%を占める長期入院患者を20年度末までに
2万8千人から3万9千人減らす。目標値は自治体が作る18年以降の
障害福祉計画に反映させる方針だそうです。かつて96年の障害者プラン、
02年の新障害者プランで掲げましたが社会的入院の解消は実現しませんでした。
地域生活中心の精神科医療が目標到達点だと思いますが、それには精神科病院が
現在担っている2つの役割(医療的役割と住む場所など福祉的役割)を解消する
ことが必要です。しかしその事が非常に難しい。地域社会の偏見が強いのは事実です。
以前より偏見が少なくなったとはとても思えません。
病院という狭い社会の中で過ごすのはいいと思えません。自分も一時手術で
入院した時に2度と病院には入りたくないと強く思ったことを覚えています。
『病棟転換型居住系施設』という言葉を耳にしたことがあります。精神科病院の
病棟を改修しグループホームなどの居住系施設に転換し在院患者を長期入院から
切り替える。これでは真の退院とは程遠い。退院するとは地域社会で他の人達と
関係を持ち生活していくことです。
私どもとしてはひとり一人の相談者に丁寧にその人の可能性をみつけ地域社会で
一緒に生活していけるようになってもらうことに力を注ぐことが仕事だと
思っています。
入間市障害者基幹相談支援センター上山